インドネシアの個人所得税の税率と実際の計算 PPh21

インドネシアの所得税を表現した画像

 

インドネシア個人所得税の税率

インドネシアは超過累進税率方式

インドネシアは超過累進税率方式です。
累進課税というと所得が大きい人ほど税率が大きくなることですが、
超過累進課税率というと、ある額を超過した額にのみ大きい税率を課す方式です。

年間課税所得額が50jutaの人と51jutaの人がいる場合、
50jutaの人は税率5%なので所得税額は2.5juta
51jutaの人は税率15%なので所得税額は7.65juta、
という計算をするのは単純累進税率方式といいます。

一方で、
50jutaの人は税率5%なので所得税額は2.5juta
51jutaの人は50juta分のみ5%、1juta分のみ15%を課す、
この計算方式を超過累進課税率方式といいます。

インドネシアは後者の超過累進課税率方式を採用しています。

税率表

課税所得額 税率
0-50,000,000 5%
50,000,001-250,000,000 15%
250,000,001-500,000,000 25%
501,000,000 – 30%

年間課税所得額によって税率が変わります。

所得税額の計算例

年間255,000,000の課税所得がある場合、
50juta分が5%、200juta分が15%、5juta分が25%というように計算され、
合計の所得税額は33.75jutaとなります。

     50.000.000 5%      2.500.000
   200.000.000 15%    30.000.000
       5.000.000 25%      1.250.000
Total    33.750.000

 

手取り給与と課税所得

手取り給与は所得税源泉徴収後の金額

現地採用では手取り給与額面で契約することが多いです。
手取り給与は既に源泉徴収された所得税が引かれています。
課税所得額は手取り給与+所得税と同額分の手当となります。

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現採シンジ

手取りが30juta、毎月の所得税が仮に5jutaだとすると35juta実際は課税所得があるんです。
給与明細を見たらわかりますが、所得税同額分の手当がついているんです。
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現採神

給与明細を見て自分の手取りより大きい金額が書かれていても、
会社がちょろまかしてるわけじゃないから安心せい。
所得税を源泉徴収して会社が払っているんじゃ。

非課税所得(PTKP)に関して

インドネシアの個人所得税には控除額があります。
それを非課税所得(PTKP)と言い、Penghasilan Tidak Kena Pajakの略です。
意味は文字通り、税をくらわない収入、非課税所得ですね。

非課税所得(PTKP)の計算方法

非課税所得の計算方法はいたって単純です。
あなたが既婚か未婚か、扶養家族の人数で金額が決まります。

扶養家族(Tanggungan anggota keluarga )の人数ですが、
血のつながった父、母、子供は含みます。
血がつながっていなくとも義父、義母、養子を含めることが出来ます。
兄弟や父母の親類などは含めることが出来ません。

扶養家族の人数は3人までは4.5jutaずつ非課税所得が増えますが、
4人以降は増えません。

未婚=TK
既婚=K
扶養家族数=/の後の数字で表します。

基本控除額      54.000.000
婚姻        4.500.000
扶養家族(3人まで)        4.500.000

上記表を基準に既婚未婚、扶養家族人数で条件分けして下記のように定まります。

TK/0      54.000.000
K/0      58.500.000
K/1      63.000.000
K/2      67.500.000
K/3      72.000.000

結婚していないかつ扶養家族がゼロ人ならTK/0というカテゴリで、
非課税所得は54,000,000 (54juta)となります。

結婚していて子供が二人なら、K/2というカテゴリになり、
非課税所得は67,500,000 (67.5juta)となります。

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現採シンジ

ややこしいけれど条件は既婚未婚と子供の人数くらいです。
妻や夫は扶養家族の人数として計算しません。
既婚で4.5juta増えるのでそこでカウント済みということでしょう。
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現採神

扶養家族3人まで非課税所得として計算されるんじゃの。
3人子供を持つことを目標に長生きしようかのう。

年間の課税所得を計算

現地採用として手取りで契約している場合、
その手取り額をベースに計算します。

課税所得=( 手取り+所得税 )x12ヶ月ー非課税所得

インドネシア個人所得税計算

まずは既婚未婚、扶養家族人数によって非課税所得を計算する

結婚 既婚 K    58.500.000
未婚 TK    54.000.000
扶養家族人数 0人 /0 0
1人 /1      4.500.000
2人 /2      9.000.000
3人 /3    13.500.000

計算例)未婚扶養家族なしなら、54,000,000

課税所得を計算する

課税所得=年間手取り-非課税所得

計算例)月間手取りが30,000,000であれば、
課税所得は30,000,000*12-54,000,000=306,000,000

年間の個人所得税を計算する

課税所得レンジ 年間所得税PPh21
1 0      47.500.000 課税所得*5/95
2      47.500.001    217.500.000 (課税所得-47,500,000)*15/85+2,500,000
3    217.500.001    405.000.000 (課税所得-217,500,000)*25/75+32,500,000
4    405.100.000 上限なし (課税所得-405,000,000)*30/70+95,000,000

先ほど出した課税所得のレンジが上記表でどれに該当するか確認します。
計算例では306,000,000ですので、3番に該当します。

年間所得税は
(306,000,000-217,500,000)*25/75+32,500,000を計算して、
62,000,000 となります。

 

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現採シンジ

手取りベースでの契約であることで、
ちょっと計算がややこしいと感じるかもしれませんが、
パラメータは手取り、既婚未婚、扶養家族人数のみです。
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現採神

3つの条件さえあれば誰でも計算できるんじゃの。
超過累進課税なので課税所得のレンジを抑えてから式が定まるところがポイントじゃ。

まとめ

インドネシアの個人所得税の計算は、
既婚未婚、扶養家族人数、手取り給与額がわかれば計算可能です。

手取りで契約している現地採用の方は、会社が源泉徴収し個人所得税を支払うため、
特に意識はする必要はありませんが、
手取りに対してどれだけ会社が負担しているか理解することは、
自分の会社に対するコストパフォーマンスを正しく理解するために重要と思います。

自分のコストパフォーマンスが正しく理解できれば、
労使双方で納得のいく給与や待遇の交渉が可能なのではないでしょうか。